やっぱり物理が好き

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「ブラックホール入門」第二回です。
 ブラックホールはどうやってできるのか、最後はどうなるのかというお話です。ちょっと長いですが、おつきあいください。

 ブラックホール入門(2) ブラックホールの生成と消滅


 では、ブラックホールとは、どうやってできるのだろうか。
 これもよく言われるのは「質量の大きな天体のなれの果て」。
 どんな物質でも、たとえ地球でも、たとえ東京ドームでも、たとえあなたや私でも、理論的には、それぞれに応じたある半径までぎゅうぎゅうに圧縮してやると、ブラックホールになる。その半径のことを「重力半径」、またの名を例の名前をとって「シュヴァルツシルト半径」という。
 もし太陽をブラックホールにしたければ、半径3kmほどに押し込めてやらなければならない。

 なぜ、そういった圧縮が起きるのか。
 太陽は、幸か不幸か(不幸な理由は不明)ブラックホールにはならない。
 ブラックホールになるためには、もっと膨大なエネルギー、「質量」が必要になる。

 太陽をはじめとする恒星は、核融合によって燃えさかっている。体脂肪も、これだけ燃えてくれれば、あとかたもなく灰になってくれるだろう。
 核融合が行なわれるための燃料が少ないと、徐々に巨大化して赤色巨星となった後の反応はさほど進まず、結局は冷えて白色わい星どまりとなる。
 元手が少ないと、しょせんは小さくまとまるしかないということか。

 しかし、太陽の十倍以上の質量がある場合、核融合反応はどんどんどんどん進み、中心部分には鉄ができる。鉄というのは、非常に安定した原子だ。安定しているということは、それ以上反応が進まないということだ。反応が進まないということは、それ以上熱を発しないということだ。熱を発しないということは、冷えて収縮してしまうということだ。
 こうして、一気に収縮していく。
 そうすると、鉄原子内の陽子(「ようこ」という女性の名前ではない)は電子を吸収し、中性子に変わる。この中性子でできた中心部は非常に固く、外側部分が中心部分に落ち込んで衝突すると、衝撃波が発生し、大爆発を起こす。これが、超新星爆発だ。英語で言うと「スーパー・ノバ」。「超・駅前留学」という意味ではない。

 太陽の四十倍以上の質量だった場合、外側を吹き飛ばした残りの部分が、自分で自分を支えられるだけの重力を超えてしまい、さらに中心部へつぶれていく。重力崩壊と呼ばれる現象である。
 重力崩壊により、際限なく内側につぶれていき、重力が増していった末に誕生するのがブラックホールというわけだ。

 ブラックホールの誕生を、簡単に見てきたわけだが、それでは逆に、このミステリアスな天体に終わりはないのであろうか。

 ブラックホールの行く末を研究したのが、難病に冒されながらも精力的に研究を続ける科学者、ホーキング博士である。

 その前に、ちょっとだけ量子力学の話をしよう。

 量子力学とは、陽子や電子等のミクロな粒子を取り扱うための学問体系である。根本原理は、「位置と運動量を同時に正確に測ることはできない」という「不確定性原理」だ。これによると、時間とエネルギーも同様の関係にあることがわかっている。ある瞬間のエネルギーの値を正確に測ることはできない。
 逆に言えば、何もない無の状態(=真空)において、あるエネルギーをもつ粒子(と反粒子のペア)がポッと現われることができる。対生成と呼ばれる現象だ。対生成した粒子と反粒子は、次の瞬間、対消滅する。
 量子論的な真空とは、粒子反粒子のペアが対生成、対消滅を繰り返す動的な世界なのだ。

 さて、ブラックホールの終焉の話に戻ろう。

 ブラックホールの周辺でも、絶えず対生成、対消滅が起きている。
 対生成した粒子と反粒子のうち、一方だけがブラックホールに飲み込まれてしまったら、どうなるだろう。対消滅は、対生成と同様、必ずペアでないと消滅できない。消滅する相手をなくした片方は、宇宙空間に飛び出していく。
 これを離れたところから観察すると、あたかもブラックホールがエネルギーを放射しているように見える。エネルギーを放出し続けると、当然ブラックホール自体のエネルギーは減少し、質量が減って小さくなる。
 ブラックホールの蒸発と呼ばれる現象だ。
 蒸発した後、何も残らないのか、何かが残るのかは、まだわかっていない。



【旧ブログへのコメント】

うーむ、何かが残るのか残らないのか・・・

Posted by ひろきち at 2004年11月19日 22:34


10年以上前の事ですが、「ホーキング博士」が講演会で
来日したとき、会社がスポンサー企業だったことで、立ち
寄られたことがありました~
社員一同、玄関で拍手してお迎えしました!!(^-^)

Posted by りゅう at 2004年11月20日 00:30


■ひろきちさん
どうなるんでしょうねぇ。
「残る」というほうが有力なのかな?

■りゅうさん
おおっ、ホーキング博士とお会いしたわけですね!
いいなぁ(私、ミーハーなもので(笑))
スポンサー企業というのは、その講演会のスポンサーということですか?
なんかかっこいいなぁ(笑)
ちゃんと会社のほうにも寄られるんですね~

Posted by さとみ at 2004年11月20日 21:00


そうです。。講演会のスポンサーです!!
かなりお金を出してたと思います。(笑)

会社の宣伝には「ホーキング博士」がたくさんでてま
した~ 会社のイメージ作りとして、「頭脳集団」を、
さかんに宣伝してましたから!!

でも、社員は凡人ばかりです!! (^-^)

Posted by りゅう at 2004年11月21日 00:37


■りゅうさん
講演会のスポンサーだなんて、すごいですね~
確かにイメージ作りとして、
スポンサーになるだけの効果はあることでしょう(笑)
「頭脳集団」かっこいい!(笑)
> でも、社員は凡人ばかりです!! (^-^)
またまた、ご謙遜を(笑)

Posted by さとみ at 2004年11月22日 00:02
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ブラックホールに落ち込んでいくモノを外で観測してると、事象の地平線に近づくにつれて落下速度が落ち、地平線を越えられないんですね。
そして、地平線を越えないうちにブラックホールが蒸発してしまうんですから、結局ブラックホールに落下することは出来ません。
そして、それは最初にブラックホールを作るために落下する物質についても言えることですから、そもそもブラックホールが作られません。
以上の議論はブラックホールがあって、それが蒸発することを前提にしています。
その結果ブラックホールが作られないと言うのなら、一体何が蒸発してるんでしょうか?
2006/08/02 13:24 URL by hirota [ 編集] Pagetop△
◆hirotaさん
外から見た事象と、ブラックホールに落ちているそのものが
感じている事象は異なりますからねー
蒸発といっても、現象としてはブラックホールの表面(変な言い方ですが)、
付近のものが対生成することによって起こるわけだから、
なんにしても、別にいいんじゃないかと思います。
2006/08/03 10:16 URL by さとみ [ 編集] Pagetop△
さとみさん
ブラックホール入門を読んで、僕にとって一番有難かった記述は(2)の <鉄原子内の陽子は電子を吸収し、中性子に変わる。> というくだりです。

ブラックホールについての記述は沢山読んだ積りですが、さとみさんの <> の説明の部分が省略されていたように思えます。
(見過ごしかも知れませんが)

電子殻が無くなって原子核のみになるというだけで、電子殻内の真空空間が排除?され体積が一挙に縮小した中性子星というものが想像できるように思えます。 10兆分の1位に?

ブラックホールだと更に落下(縮小)するのでしょうか。
2006/08/11 09:45 URL by 白樺 [ 編集] Pagetop△
◆白樺さん
あれっ、そこの部分が抜けてましたか?
一般向けの本でも、ものによっては書かれていると思います。^^
でも、ちょっとでもお役に立ててよかったです。^^
ブラックホールは、そうですね、おっしゃるとおりの感じになります。
自分自身を支えきれないくらい、縮小してしまうんですね。
2006/08/12 06:55 URL by さとみ [ 編集] Pagetop△
ありがとうございます。











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